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今月の歌舞伎

  • Posted by: ひろむ
  • 2004年3月13日 22:22
  • 歌舞伎

国立劇場の大劇場、3月の演し物は『加賀見山旧錦絵(かがみやまこきょうのにしきえ)』、通し狂言である。
この『加賀見山』は、こちらの「旧錦絵」と「再岩藤」(ごにちのいわふじ)が正編・続編の作りになっている。
昨年秋の平成中村座では「再岩藤」を観たので、順序としては逆になる。
とは言うものの、こちらを観るのは2回目だ。

今回の配役は、岩藤を中村翫雀(かんじゃく)、尾上を中村扇雀(せんじゃく)、おはつを市川亀治郎。
一応、「若手」公演なのだけど・・・歌舞伎の世界で「若手」じゃなくなるのって何歳くらいからなんだろう・・・。
亀治郎は正月の浅草歌舞伎が素晴らしかったので、期待大。
私の感覚では、3役の中で若手って、彼くらいなのだけど。

観劇後の感想としては、3役とも素晴らしかった。

岩藤はしっかり憎たらしいオバサンだったけど、ただのオバサンじゃなくて色も欲もありありで、なんかオーラが出てるんじゃないかってくらい貫禄があった。
草履打ちに至る場面での憎々しさ、求女に色目を使うところ、医者を一刀に斬ってのけるところ、いやー、堪能させていただいた。

尾上はしっとりとした美しさ、町人育ちらしい気配り、武家奉公らしいプライドがバランスよく出ていたと思う。
ことに草履打ちの後の引っ込みが胸に迫った。
自室で遺書をしたため、おはつを見送った後の独白シーンも良い。

おはつは後半1/3にしか出てこないのだが、この部分は彼女のための舞台だ。
仏間のシーンは、ちょっと「がんばってお勉強したのね」って言いたくなるような感じがあったが、最後の仕返しの場面は格好良かった。
胸がすくとは、正にこのこと!という幕切れ。
亀治郎には今後も注目だね。

面白い脚本を、よい芸人が演じると、こんなにも面白いものなのだなと再確認させてくれる舞台であった。

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