- 2005年1月16日 22:47
- 歌舞伎
『鳥辺山心中(とりべやましんじゅう)』は海老蔵襲名のパリ公演で大喝采を浴びた演目をそのまま再演とのことで注目。
海老蔵と菊之助の美しさ、舞台美術の美しさ。
本当に舞台の上に、冷たい冬の夜の冴えた月がかかっているようだった。
『六歌仙容彩 文屋 喜撰(ろっかせんすがたのいろどり ぶんや きせん)』は踊りの演目。
文屋・尾上松緑が官女たちとコミカルにかけあい、踊り合うのは、一歩間違えば冗長になりそうなものを巧みにまとめている。
さすがは踊りの名手。
喜撰は尾上菊五郎で、菊之助の茶屋娘との連れ舞いが軽やか。
最後はお待ちかね市川團十郎が登場。
『曽我綉俠御所染 御所五郎蔵(そがもようたてしのごしょぞめ ごしょのごろぞう)』。
若者達の浅草歌舞伎と唯一今月重複しているのが、その最初の場面「五条坂仲之町甲屋の場」だ。
五郎蔵は團十郎、星影土右衛門は左團次で、因縁からむこの出会いの場は、かっこいい、の一言につきた。
続く奥座敷の場は、傾城皐月の福助が一途なために愚かな選択をして悲劇の幕を切ってしまう。
皐月の思いを知らず、ショックと怒りに震える五郎蔵が真に迫る。
とりなす傾城逢州・松也は堂々たる傾城ぶりで、さすが若殿様の寵愛を受けるだけのことはある。
左團次の土右衛門は、皐月を言葉巧みに追いつめていく場面が最も憎々しくて良いのだが、最後の対決の場で怪しい力を発揮する超人ぶりも面白い。
期待を裏切らない素晴らしい舞台であった。