- 2005年3月27日 23:32
- 歌舞伎
十八代目中村勘三郎襲名披露の最初の月も、いよいよ本日を以て千穐楽だ。
日曜なのを幸いに、夜の部を観に出かける。
歌舞伎座に行く前に、茅場町で”きもの人”さんの本店オフィス移転開設お祝いパーティーに顔を出す。
ビルの中なのにしっかりした設えの和室で、まるで”女将さんの家”に遊びに来させてもらった感じ。
これからはここで、これまで以上にわくわくドキドキと着物と接していかれるのだろうなあと思うと、こちらまで幸せになる。
オープニング記念ラベルのワインをいただいて早々に辞去し、一路、東銀座へ。
ぎりぎり開演時間には間に合わず、舞台の音を聞きながら急いで3階まで上がる。
最初の演目は『近江源氏先陣館 盛綱陣屋(おうみげんじせんじんやかた もりつなじんや)』。
席に着くと、すでに小四郎は奥へ連れて行かれた後で、佐々木盛綱・勘三郎と和田兵衛秀盛・富十郎が出て来るところだ。
この辺りはまだ良かったのだが、後半になると勘三郎の盛綱は思い入れたっぷり過ぎてちょっと疲れた。
悪くはないんだけど。
盛綱と高綱の母である微妙は芝翫、高綱妻の篝火が福助、高綱息子が児太郎と成駒屋三代の勢揃い。
芝翫は勘三郎にとっても義父だから親だし、盛綱息子の小三郎は(小四郎を捕えて来るのだが)児太郎には従弟の宗生で、これだけ舞台と現実をだぶらせたオイシい配役ができるのは襲名披露ならではか。
踊りは片岡仁左衛門で『保名』。
許嫁の榊の前が自害してしまい、悲しみで気がふれて、榊の前の小袖を肩にかけたまま野原を彷徨う。
先月も恋しい女を思って気狂いになった男をやっていたような…だが、似合うからいいか。
歌舞伎の演目は登場人物や時代背景などがリンクするものは多いが、この保名は『葛の葉』の保名と同一人物のはずで、つまりは安倍晴明のお父上になる人なんだよなー、女運はなかったのねーとか思いながら観る。
そして本日のお目当てである『鰯賣戀曵網(いわしうりこいのひきあみ)』。
三島由紀夫の新作歌舞伎で、新作の中ではすでに古典なのだが、まだ観たことがなかったのだ。
勘三郎と玉三郎のコンビで当たりをとっている演目の一つで、ユーモラスで茶目っ気たっぷりの笑えるお芝居。
最後、ひっこみをたーっぷりと引き延ばして勘三郎を引き回していた玉三郎が心憎い。
来月もまだ襲名披露公演が続くが、どんな風に変化があるのか楽しみ。
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