- 2005年4月24日 23:27
- 歌舞伎
『毛抜(けぬき)』は去年の浅草歌舞伎で見て面白く、すごく楽しみにしていた演目だ。
かなりバカバカしいお話だが、こういう単純な作りの話は手放しで笑えていい。
浅草の時にはなかった桜町中将の出番があり、ストーリーはより理解しやすい。
團十郎の粂寺弾正は見ていて楽しかった。
この人がまた舞台に戻って来られた幸運を噛み締めながら楽しませていただく。
秀太郎の勘太郎はすっきりとした若武者ぶりが凛々しく清々しい。
しかし、白眉は悪家老・八剣玄蕃を演じた團蔵ではないだろうか。
やり過ぎなほどに憎々しく、それたまた芝居のテンションをあげている。
対等に張るべき秦民部(権十郎)がかすむようであった。
さて『口上』。
今回もお歴々が並んで壮観だが、勘太郎と並んで七之助がいるのが嬉しい。
いろいろあるだろうが、良い役者に育ってくれることを願う。
『籠釣瓶花街酔醒(かごつるべさとのえいざめ)』は、玉三郎の八つ橋の美しさに酔わされる。
勘三郎の次郎左衛門が八つ橋に目を留め、笑みを返されて魂を抜かれてしまうのと同様、観客も彼女の虜となる。
そうでなければ、この後の悲劇は堪能できまい。
勘太郎はここでは花魁姿での登場だが、これまた美しい。
去年あたりまでは女役やると野暮ったい感じがしてたものだが、これが一皮むけるということだろうか。
七之助が綺麗なのは当たり前になっていて面白みがないんだけども、初菊の可憐さは出ていたように思う。
玉三郎と仁左衛門は、花魁とその間夫である浪人だが、やはり並ぶと溜め息が出るような美しさ。
心を切られるような次郎左衛門への愛想づかし、茶屋の人々と並んでいる心持ちで息を詰めて見守る。
そして次郎左衛門の再訪と復讐だが、八つ橋は、切られて倒れる時まで美しい。いや、倒れた後も。
・・・咄嗟に効果的な復讐の場面まで考えて、それでその場をとりなしていたのかと思うと、次郎左衛門という人の頭の回転が相当に怖いと思った。
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