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芸術祭十月大歌舞伎 夜の部

  • Posted by: ひろむ
  • 2005年10月10日 22:56
  • 歌舞伎

そう言えば今月は鴈治郎が最後なのだった。十二月には坂田藤十郎になるのだものな。

夜の部の幕開きは『双蝶々曲輪日記 引窓(ふたつちょうちょうくるわにっき ひきまど)』。
ちょうど一年前に三越歌舞伎で、話のきっかけとなる部分を愛之助と獅童で観たなあなどと思い出す。今回は濡髪長五郎を左團次、母お幸が田之助、女房お早を魁春、与兵衛を菊五郎という豪華な配役でじっくり見せてくれた。しかし、せっかくの引窓、もう少し夜の情景として見せようという舞台美術上の配慮はできなかったのだろうか。全然「月の光で」というのがわからなくって、引窓を何故閉めるのかがわかりにくかったように思う。芝居が良かっただけに残念。

踊りは『日高川入相花王(ひだかがわいりあいざくら)』。
玉三郎の人形振りが素晴らしい。本当に文楽人形にしか見えない。人形遣として気配を消しきった菊之助も誉めるべき?船頭役の薪車も巧かった.菊之助は玉三郎の演技を、あんな間近で連日見られるなんて、同じ演技者としてすごく幸せなことなんじゃないだろうか。

最後はお待ちかね『心中天網島 河庄(しんじゅうてんのあみしま かわしょう)』。
上方和事ってのは、こうじゃなくっちゃいけないんだろう。でも、雀右衛門がいつか倒れるんじゃないかと、ヒヤヒヤしっ放しだった。まあ、小春は最後の方は座ってるからいいんだけどさ。立ち上がって動く時がどうにも…御無理なさらないで下さいね、と言いたくなる感じ。いつまで舞台に立ち続けられるのだろうと…。しかし後半、座ったままで我が想いと我が決意の板挟みで嘆き悲しむ風情、戻ってきた男の姿に一瞬喜び、それをまた押し殺す固い決意を示すところ、小春という女がそこにいる凄さ。生きている限り、舞台にあるのだという意志なのだろうか。

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