- 2005年10月15日 23:52
- 歌舞伎
今月の昼の部は、艶やかな『廓三番叟』で幕開け。めでたく美しくコミカルに舞い踊る。
『加賀見山旧錦絵(かがみやまこきょうのにしきえ)』。
去年3月に国立劇場で同じ演目を見た時とは、配役が違うし型も違うので、随分とまた雰囲気が違った。
岩藤の菊五郎は憎ったらしさ満載だが、どこかおかし味のある人間臭さ。玉三郎の尾上は、町人上がりの肩身の狭さから消え入らんばかりの儚さで、しかし同時に存在感はたっぷりある弱者ぶり。草履で打たれた後、一言も発さずに舞台から去るまで、抑えこんでいる悔しさ、恨み、呪詛がオーラとして出てるんじゃないかという静かな演技が凄かった。その尾上に絡む忠臣・お初の菊之助は、主人に対する愛情と尊敬が滲み出ている気持ち良さだ。最後の岩藤との対決シーン、仇討ちの必然性が際立つ忠臣振りであったと言って良いだろう。左団次の弾正も存在感たっぷりで見せた。全体として、個々の役の情念が強く感じられる面白い芝居だった。
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