- 2005年12月 3日 23:59
- 歌舞伎
當る戌歳吉例顔見世興行東西合同大歌舞伎。
京都南座の師走の風物詩である顔見世興行は、今年は中村鴈治郎改め藤十郎襲名披露興行でもあり、チケットは例年にも増して争奪戦が激しかったと聞く。関西に住む友人B氏がその大変なチケットを確保してくれたので、新幹線で飛んで行った。首相が観劇に来ていて客席が騒然とする一幕がおまけに付いた。
まずは『双蝶々曲輪日記 引窓(ふたつちょうちょうくるわにっき ひきまど)』。
十月に歌舞伎座で観ているが、今回の方が面白かった。一つには南座の舞台が歌舞伎座よりも一回り小さくて、それがちょうどいい劇空間になっていたこと。そしてもう一つはテンポではないかと思う。細かい演出の違いはあるのだろうが、トントントンと進む話を気持ち良く観られたなあという感じ。やはり西の話は西で観るに限るのか?
続いては231年ぶりに復活する大名跡、坂田藤十郎の襲名披露口上。
雀右衛門が口火を切り、仁左衛門、秀太郎、東蔵、梅玉、菊五郎、吉右衛門、我當、歌六、魁春、扇雀、翫雀、そして藤十郎本人まで。首相が来たので、それに絡めたコメントをした人も。藤十郎は、歌舞伎が世界文化遺産に登録されたのと同時期に憧れの山城屋を復活できて嬉しいと言っていた。73歳で、新たに家を一つ作るのと同じような大復活名跡を継いでしまうのだから意気軒昂だ。息子達は、山城屋の良きライバルとなれるようますます精進すると言っていたが、そうすると翫雀が鴈治郎としてやってくわけかな。それもまた楽しみ。
『本朝廿四孝(ほんちょうにじゅうしこう)』から「十種香」と「奥庭」。
八重垣姫は、当然ながら藤十郎。腰元濡衣に秀太郎。武田勝頼が菊五郎で、もったいない感は拭えなかったが、さすがに存在感はあった。吉右衛門の上杉謙信も然り。珍しいのは「奥庭」が人形振りで演じられることで、これは鴈治郎が復活させた上方風演出らしい。確か二月に国立劇場で観た時は、少なくとも人形振りではなかった。人形振りという演出自体は私は結構好きなのだが、これはどうなのかなあ…ちょっと微妙。
最後は華やかに踊りで〆めだ。『相生獅子(あいおいじし)』は芝雀と菊之助が艶やかに、『三人形(さんにんぎょう)』は松緑、孝太郎、愛之助が達者に勤めたという感じ。個人的にはこの若手勢揃い舞台を一番楽しみにしていて、そして期待通りだったと言えよう。孝太郎は風格もついて素晴らしい役者かつ踊り手になってきている。ますます注目したい。
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