- 2006年12月24日 23:43
- 歌舞伎
帝国劇場から歌舞伎座へ移動して夜の部を鑑賞。忙しい一日だこと。
『神霊矢口渡(しんれいやぐちのわたし)』は福内鬼外という人を喰った名を名乗った平賀源内の作品。菊之助が義峯に一目惚れして親をも騙して尽くすお舟役で好演。なのだが、どうも私はこの話自体がダメみたいで、あまり楽しく見られない。この父ちゃん(渡し守の頓兵衛)にしてこの娘ありの思い込みの強い父娘がまずどうもにも性に合わないのだろう。せっかく演技は良いのに残念なことだった。
『出刃内お玉(でばうちおたま)』は池波正太郎が昭和50年に書き下ろした新作歌舞伎。この後さらに2作書いているそうだが、いずれも見たことない。この作品も上演は今回でまだ4回目だそうだから仕方ないか。新作歌舞伎が古典になっていくのって難しいんだろうなあ。今回は菊五郎がお玉を演じているが、とにかく話自体があっさりと進んで行ってしまうので、面白いんだけどいまひとつ残らない。うーん、なんか物足りないって感じがしてしまう。これもいい芝居してるんだけどねぇ…。
最後は舞踊劇『紅葉狩(もみじがり)』。海老蔵の妹の市川ぼたん嬢が夏に名題披露だったとかで、ご祝儀なんだか知らないが出演しているのが良くも悪くも評判になってはいる演目だ。さすがに男ばかりの中に一人女性が混ざると小柄に見える。十代の男の子みたい。台詞はなくて踊りだけだったけど、せっかく名題披露のつもりなのなら一言どこかに書いても良かったんじゃないかと思う。そしてそのぼたん嬢に客席から女性の声で「ぼたんっ」と大向こうがかかっていた。こないだうちmixiの歌舞伎コミュニティで話題になってたので、ちょっとおおっと思う。掛け声も拍手も自分が好きなとこでいいんだろうし、決まりはない。でも個人的には女性の声は、声のトーンとか性質とかいったもののせいで、なんだか雰囲気を壊してるようで好きではない。男の人の野太い声でかかるのがいいね。そういうのとか拍手とかジワとかが渾然一体となってて初めて歌舞伎だと思うから。尾上右近は踊りは良かったが声が…楽も近いからかな。海老蔵は楽しそうだった。合ってるな、確かに。
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