- 2007年4月22日 23:46
- 歌舞伎
今月は中村信二郎改め二代目中村錦之助襲名披露。中村錦之助とは往年の銀幕スター萬屋錦之助の前名で、れっきとした歌舞伎役者の名前だ。中村獅童あたりが継いで彼が映画スターに専念するのかと思っていたら、歌舞伎役者として名前を大きくするってことになった様子。信二郎は以前はすごく地味な役者と思っていたけど、ここ数年めきめきと良くなっていい役者になってきているので、襲名という形で一段引き上げてもらえて良かったんじゃないかと思う。
幕開きは『源平布引滝 実盛物語(げんぺいぬのびきのたき さねもりものがたり)』。実盛を仁左衛門、葵御前を魁春、小万が秀太郎で太郎吉が仁左衛門の孫の千之助。実盛は良かったんだけど、実盛が太郎吉をそこまで買ってかわいがってしまうのはよくわからん…特に、実盛がものすごーく愛おしそうに太郎吉を見ているので余計にそう思えたのかも。太郎吉自体はすごくしっかり演じられていて良かったと思う。
続いては『口上』で、十年来の信二郎の師匠である富十郎が頭となって、雀右衛門以下のお歴々、萬屋一門、親戚の中村屋の方々や吉右衛門などが御挨拶。親戚だからというのでか、七之助や勘太郎まで御挨拶にいたのは御愛嬌か。まあ信二郎の息子や甥もいたのでついでになのかな。とにかく誠実でおっとりした雰囲気を持つ信二郎への皆様の暖かい思いが感じられて良い口上だったのではないだろうか。
そして夜の部で信二郎改め錦之助が演じるのは『双蝶々曲輪日記 角力場(ふたつちょうちょうくるわにっき すもうば)』の放駒長吉と山崎屋与五郎の二役。濡髪長五郎に師匠の富十郎が出てくれるという御馳走付き。父である四代目時蔵が早逝して苦労した信二郎だけど、良い師匠に恵まれたよなあとしみじみ。勢いがあって良い放駒長吉だった。与五郎のじゃらじゃらは…まあ、無難にこなしてたかな。
最後が『新皿屋舗月雨暈 魚屋宗五郎(しんさらやしきつきのあまがさ さかなやそうごろう)』。ちょっと体調不良で、いっそのことパスして帰ろうかと思ったが、中村屋の宗五郎は見たことがないので頑張ろうと思って居残り。いやー、面白かった。寝ちゃうかもなーと心配したほどのこともなく、しっかり見入ってしまったのだった。勘三郎の宗五郎が酒に酔っていくシーンは、時蔵、七之助、勘太郎、勘之丞の息のあった演技のおかげで見ていてとっても楽しかった。勘太郎も七之助も、よく育って父君と対等に芝居するようになったんだねぇと感心感心。勘三郎の宗五郎は、磯部邸玄関前の語りの場面がすごく良かった。そこが良かったんで、後で磯部の殿様と話をした時にお蔦の霊魂に語りかける場面が活きたと思う。信二郎の殿様は若い殿様だったけどぴったりでこれも良かった。
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