- 2007年6月25日 23:39
- 歌舞伎
やれやれ。やっと何とか書けそうな気がしてきた。何って、渋谷Bunkamuraシアターコクーンでこの6月に大入りをとっていたコクーン歌舞伎『三人吉三』の観劇記だよ。すでに10日前にはなるけど、見た当日はその凄さに圧倒されまくっていて、「凄い」以外に言葉が見つからなくって、とても感想なんて書けたもんじゃなかった。数日経っても興奮は醒めず、会う人ごとにその凄さを伝えようとするんだけど、言葉が足らずにまどろっこしい思いをしたもんだ。今だって、上手に言葉を選べるわけじゃないけど、当日よりは大分マシだろう。
今回は以前にも同じコクーンでやっているものの再演てことだが、初演を見ていない私には比較しようはない。ネットで評判を見ると、以前より更によくなっているとの意見が多く見られ、さもありなんと思われる。勘三郎、福助、橋之助で和尚吉三、お嬢吉三、お坊吉三というはまりきった顔合わせ。知らずに畜生道へ落ちる双子の十三郎、おとせを勘太郎、七之助。いつものごとく笹本高史もいい味出してる。ミニマムに絞った背景が余計に芝居の世界を膨らませるような場面もあれば、工夫された回り舞台がいつもの台詞を違って響かせる場面もあり。物語の陰影が余計に色濃くリアルに感じられる舞台だったように思う。これまで見たことがある『三人吉三』のどれよりも懐に迫ってきた。特に最後の立ち回りを思い切って簡略化して雪とマイムに絞ったのは効果大じゃなかろうか。その場の下座音楽を椎名林檎が担当したのは試みとしていいんだけど、完全に芝居に音が負けちゃっていて残念だった。効果音としてエレキギター等の歪んだ音は良かったんだけど、音楽になっちゃうとね…。刺し違えて倒れ伏す3人の上に静かに雪が降り積むラストは、ひたすら哀しかった。ああ、やはり「凄かった」としか言えないかも。面白い。こんな面白い芝居が見られて幸せだ、と思えた夜だった。
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