- 2008年6月 9日 00:14
- 日記
ダフネ・デュ・モーリアの『レベッカ』と言えば、ヒッチコック映画として有名だが、これがなんとミュージカルで上演されるという。どんなになるんだ?劇場はシアタークリエ。日比谷の東京宝塚劇場のお向かいに開館した小さい劇場だ。
さて、このミュージカル版『レベッカ』だが、もともとはもっと大きな、たぶん帝国劇場クラスの舞台用に作られたものらしい。それをシアタークリエサイズにコンパクトにまとめたものだとか。コンパクトにする時に、冗長な部分は全部なくなってるんだろうなって思うほどテンポよく展開していく。舞台装置もよく考えられていて、薄い紗のパーティションと移動する階段がとてもよく効いていた。歌もアンサンブルも芝居も素晴らしく、あっという間に引き込まれ、気がつくと終わっていたような印象だ。主人公の心理的成長に合わせて、着るものが変化していく様も良かった。
役者は芸達者な人が揃っていて、全体にすごく安心して観ていられたのだけど、特筆すべきはシルビア・グラブのダンヴァース夫人だろう。ミュージカルはあまり観ないけど、それでも今回の彼女の演技が絶賛に値する、はまり役となっていることはわかる。先妻レベッカに盲従するその執着や狂気がよくよく現せていて、話の展開に説得力を持たせている。正直なところ、この作品はダンヴァース夫人が怖くなければ全然ダメになるのだから、そういう意味では作品の成功不成功を握る重要な役どころと言えるわけで、それがこのレベルで凄みさえ感じさせてくれるのだから嬉しいじゃないか。しかし、他の人が演じる時には今回のグラブさんが指標となるわけで...ま、きっと今後当分は彼女が演じるんじゃないだろーか。
相方は『レベッカ』の映画版を見てなかったので、行く前に慌ててDVDで予習。おかげで初めてのミュージカル鑑賞もゆっくりと楽しめたらしい。彼いわく「ゴシックロマン系のばりばりな、ああいう音楽やら衣装やら展開は、ブリティッシュヘヴィメタルと通じるところがあるから大丈夫」だそうだ。そういや、歌舞伎を初めて見た時にも同じようなこと言ってなかったっけ?エンターテイメントって世界中どこに言っても共通するものがあるってことかな。そのうち『エリザベート』もまた上演するそうで、それは一度観てみたいかもと思う。いや、とにかくいいものを観せてもらいました。感謝。