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壽初春大歌舞伎 夜の部

  • Posted by: ひろむ
  • 2009年1月 4日 23:16
  • 歌舞伎

いよいよ来年4月までで現在の歌舞伎座での興行は終わると発表され、今月からは「さよなら歌舞伎座」を合い言葉に豪華な面子が揃ってのおいしい演目が勢揃いだ。踊りだけ考えたって、昼の部には玉三郎の『鷺娘』があって、夜には勘三郎の『春興鏡獅子』があるんだもの。他は推して知るべし。どっちかはいい席で見ておきたい〜と悩むことしきりだったさ。この調子で毎月やられたら、お財布が痛いことこの上ないよ。でも行くけど。

夜の幕開けは『壽曽我対面(ことぶきそがのたいめん)』。曽我物は正月の定番だからね。曽我五郎に吉右衛門、兄・十郎には菊五郎、対する敵役の工藤祐経は幸四郎。この座頭級3名だけの顔合わせでもすごいのに、芝雀、梅玉、魁春、染五郎、松緑、菊之助...うーん、松竹さん頑張ってるねぇ。おっと、名傍役の錦吾、亀蔵も忘れちゃいけない。賑々しく、華やかに、実に正月らしい舞台だった。

そしてお次ぎは本日最大のお目当て、『新歌舞伎十八番の内 春興鏡獅子(しゅんきょうかがみじし)』。2年前の正月に歌舞伎座で上演して大評判だったのを再演だ。こればっかりはやはりいい席で見たい!と1階席を確保したよ、2等だけどねそれでも。この踊りの勘三郎は、溜め息が出るほど素晴らしい。目が離せないというか何というか、小姓弥生の時の清々しさ、獅子になっての凛々しさ、いずれも周りの空気まで清浄にするような「綺麗さ」というのがある。神々しいのとは違うんだけど、それに近いかな?もしかしたら「神楽」(=神に捧げる舞い)というのはこういうものなのかもしれない、と思った。胡蝶の精の千之助と玉太郎は、私の見た胡蝶たちの中では最もいい踊り手たちだった。8歳コンビ。甲乙つけがたし。

最後が『鰯賣戀曳網(いわしうりこいのひきあみ)』。三島歌舞伎とは思えない大らかなユーモアに溢れた作品で好き。もちろん鰯売りの猿源氏は勘三郎、傾城蛍火は玉三郎。脇を固める彌十郎、染五郎、亀蔵、東蔵も皆とても楽しそうにやっていて、見ていても気持ちがいい。こういう芝居は一歩間違えるとくっだらない作品に成り下がるのをうまく楽しく演れるのは、脚本もいいけど役者がいいんだよなあ。

しかし最後の演目の最中に、一階席で誰かの携帯がかなり長い時間鳴っていたのが気になった。芝居やコンサートによく行く人は、まず必ず始まる前に電源や電波をoffにしてると思うから、たぶんそうじゃない人がいたんだろうとは思う。開演前に場内アナウンスでも言ってるし、客席番のおねーさん方も呼びかけてるんだから切ってないなんてありえないだろう!と意識が散らされてしまって残念だった。今年は「歌舞伎座さよなら公演」なんて銘打ってくれちゃったおかげで、そういう不心得者が増えてしまうんだろうか。ちょっと心配。

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