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九月大歌舞伎 夜の部

  • Posted by: ひろむ
  • 2009年9月22日 23:57
  • 歌舞伎

歌舞伎座さよなら公演、平成22年4月興行まであと221日。今月は夜の部のみ。

まずは『浮世柄比翼稲妻(うきよづかひよくのいなづま)』で幕開け。「鞘当(さやあて)」は初めて見るかも。「鈴ヶ森(すずがもり)」は単独でかかることも多いので何度か。今年は四世鶴屋南北の没後180年だそうで、芝居の中でもそれに言及する台詞を入れてあった。

「鞘当」は不破伴左衛門と名古屋山三という敵同士の渡り台詞と、その喧嘩を仲裁する茶屋女房の説得で、とにかく型と台詞で楽しませる。松緑と染五郎の喧嘩を芝雀が止めるのだが、松緑ってこんなにいい声してたかと驚くほどの朗々とした台詞回し。思わず聞き惚れる。片や染五郎は、後の芝居との演じ分けもあってか、いまいちな感じ。芝雀はきりっとした茶屋女房がよく似合ってて良かった。

吉右衛門の幡随院長兵衛、梅玉の白井権八で「鈴ヶ森」。今月の吉右衛門はなんだか楽しそうで良い。この芝居では大らかで余裕のある親分さんを好演。梅玉のすっきりした若侍ぶりもなかなか。立ち回りのユニークさは、いつ見ても面白い。

「七代目松本幸四郎没後六十年」と付けられた『勧進帳(かんじんちょう)』。弁慶が幸四郎、富樫が吉右衛門の兄弟共演で、更には義経が染五郎という由縁の勢揃いだ。こういう顔合わせは、狙っては見ないけど見られるとラッキーと思う。たぶん演じている方も特別な思いになるだろうから。口舌の良さでは富樫に軍配か。

最後は『松竹梅湯島掛額(しょうちくばいゆしまのかけがく)』で、「吉祥院お土砂(きっしょういんおどしゃ)」「櫓のお七」。「お土砂」の紅長を吉右衛門が演じているのだが、初めていい役者なのだと実感した。これまでこういう役を演じているのを見たことがなく、吉右衛門と言えばテレビの時代劇と歌舞伎の重苦しい固い武士役ばかりがイメージにあった。このコミカルな芝居で、話の中心にいるお七を活かして、場をうまーく盛り上げて、全体をバランスよく動かす紅長のような役がここまではまるとは。すごい。おかげでとっても楽しめた。お七は福助、吉三郎が錦之介。初めて「櫓のお七」を見たのが福助の時だったかなんてことを思い出しつつ見ていた。人形振りは好きなので楽しみにしていたのだが、文楽を見たことない人が見ると笑っちゃうらしい...どうしてそこで笑う?という箇所で笑いが起こっていた。何が可笑しかったのかがわからなくて残念。

「現在の歌舞伎座がなくなる前に一度くらい」という人達が、途中で出入りしてしまうこと。3階席だから余計にそうなのかもしれないが、一番ひどいカップルは最後の演目が始まってから来て、半分を過ぎた頃には出て行った。以前と違って、幕が開いてからもざわざわが静まらない。高らかに携帯電話の呼び出し音が鳴る。中学生くらいの2人は静かにはしていたが、前のめりになりすぎていて、さすがに並びに座っていた男性に注意されていた。私の斜め前の女性も前傾姿勢がひどく注意しようかどうか迷ったが、かなり端の席だったので結果として彼女が前傾になっててくれた方が舞台の中央が見えるので放置した。あと7ヶ月、14公演。全部は無理だろうけど、せめて気持ちよく見られるといいな。

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